イレッサ調査(WJOG)お知らせ
根治不能IIIB/IV期非小細胞肺癌症例における腺がんと非腺がんでのレトロスペクティブ(後ろ向き)な予後の検討
WJOG(西日本がん研究機構)の疫学研究であり、当院を含むWJOGの参加施設において、2004年1月1日から2005年12月31日までの期間に、初回抗癌剤治療を開始したⅢB期もしくはⅣ期の非小細胞肺がんの全症例を対象に、腺がん,非腺がんの予後を比較・検討することを目的としております。WJOGのホームページにも内容が公開されております。
ゲフィチニブ(イレッサ)は非喫煙者,女性,腺がんといった特定の患者群で優れた効果を示すことが報告され,エルロチニブ(タルセバ)においても腺がん,非喫煙者が有意な予後因子であることが示されています。こうした分子標的薬が登場してからは非小細胞肺がんであっても組織型により効果,有害反応の発生が異なり,予後も変わる可能性があります。腺がんの予後が延長しているのであれば,今後の臨床試験において,腺がんとその他の非小細胞がんを一律に扱うことは適切ではありません。また、腺がんとその他の組織型で別の臨床試験を行う必要も生じてきます。
調査項目は、性別、生年月日、喫煙歴の有無、組織型、臨床病期、初回化学療法開始日および治療内容、転帰(生存、死亡)、最終生存確認日などが含まれております。 これらの情報は、研究代表施設(京都大学保健センター)に提出いたしますが、その際には匿名化を行い、個人情報が特定できないように処理をし、厳重な管理の元、研究者と研究組織の外部に情報が漏洩しないようにいたします。
※ 匿名化とは,個人を識別することができる情報の全部又は一部を取り除 き,代わりにその人とかかわりの無い符号又は番号を付けることです。
本研究は本邦で始めての試みであり、その結果によっては、今後の臨床試験の組み方だけでなく、肺がん診療を実施する上でも有益な情報が提供できるものと考えております。この研究にご異議のあるかたは、以下の連絡先にお申し出ください。また、この研究への参加を拒否される場合は研究対象から除外させていただきます。
平成20年7月22日
連絡先:研究代表者 久保 昭仁
〒591-8555 堺市北区長曽根町1180番地 国立病院機構 近畿中央胸部疾患センター 電話番号 072-252-3021 FAX番号 072-250-4034