2012年11月
11月の近畿中央胸部疾患センター
― 見過ごされがちな病気をみつけるための病診連携のはなし ―
COPD(シーオーピーディー)あるいは慢性閉塞性肺疾患。
この欄でも何回かとりあげている病気ですが、まだまだ糖尿や血圧、あるいはメタボ(メタボリックシンドローム)ほどには 馴染みの病気にはなっていないようです。
COPDとはどんな病気なのか、知っている人は4人に1人という調査結果があるようですが、実は大変ありふれた病気なのです。
咳、痰、息切れを伴うタバコが原因で起こる病気で、推定で570万人もの患者さんが日本にいると考えられています。
この病気は早期発見し、禁煙によってそれ以上重症化しないようにすることが大切です。
しかし、570万人のうちご自分がこの病気であると認識しているかたは少数で、8割は未診断であると考えられています。
ちなみに糖尿病は日本に740万人の患者さんがいて、その3割以上が治療をうけているといわれ、認知度と関心の高さの違いが分かります。
COPDは進行がゆるやかなので、症状は"年のせい"と見過ごされることも多く、この病気が心配で専門施設を受診されるようなことはまずまれだろうと考えます。
風邪などでCOPDの症状が顕在化することもあり、他の病気で通院することが多い開業の先生がたが発見することも多いと思われます。
私達の病院が所属する堺市医師会は、病院と開業の先生方の診療所との連携の構築に大変熱心です。
糖尿や脳血管障害など、専門病院で診断し治療方針を決めた後、近くの通いやすい診療所で安定期の治療をうけるというパターンは患者さんにとって便利であるし、 検査や入院設備も効率的に使うことができます。
この連携の質を高めるためにクリニカルパス(パス)という診療情報を共有するための書類が仲立ちさせる取り組みを堺市は積極的に進めています。
11月の土曜の午後、連携を強化するための勉強会を堺市市内で開催しました。
3連休の中日にもかかわらず、多数の開業の先生方に出席していただきました。

タバコを喫っている(あるいは今はやめているけれど、以前喫っていた)方で息切れを感じている方がいらっしゃいましたら、 医療機関への受診を考えてみてください。その医院の専門がもし呼吸器以外だったとしても、堺市ご在住の場合パスを介して適当な専門施設に紹介していただくことも可能です。

(2012年11月 近畿中央胸部疾患センター 院長 林清二)