検査(VEGF-D)の依頼
2024年12月12日掲載
血管内皮細胞増殖因子 (Vascular Endothelial Growth Factor)-D 値測定に関して
測定意義
リンパ脈管筋腫症 (Lymphangioleiomyomatosis: LAM)の確定診断は、画像、病理所見をもとに行われる (https://www.nanbyou.or.jp/entry/339 : 難病情報センター)。しかし、典型的な画像所見と血管内皮細胞増殖因子 (Vascular Endothelial Growth Factor :VEGF)-D値の利用でLAM患者の約70 %が外科的肺生検を回避できる(1)。これまでにVEGF-D値のLAM診断に対する非侵襲的有用性が報告されてきた (2-3)。さらにVEGF-D値は臨床診断だけでなく、mammalian target of rapamycin (mTOR)阻害剤による治療反応性の判断にも有用 (3-4)で、LAM診断、 治療判定に有用なツールである。ただし、厚生労働省指定難病の診断基準では、胸部CT所見とVEGF-D値のみで診断することはできません。
測定対象
・リンパ脈管筋腫症患者 (sporadic and TSC)
・リンパ脈管筋腫症疑い患者
・嚢胞性肺疾患
・腎血管筋脂肪腫が認められる患者
測定方法
R&D Systems社製ELISA kit
・Human VEGF-D Quantikine ELSIA Kit (DVED00)
*現在、試薬製造上のトラブルにより測定kitの納品遅れが生じ、結果報告が遅延しております (2024年12月4日)。
VEGF-Dの報告値関して
本測定値は保険適用外なので、診療で参考にする際は必ず主治医の責任のもとに使用をお願い致します。報告値は研究用としての取り扱いとなりますが、その有用性は学術論文にて報告され、学術的根拠は担保されております (1-4)。また、米国胸部疾患学会 (ATS)と日本呼吸器学会 (JRS)の共同声明にて、LAM診断に対するVEGF-D値測定は強く推奨されております (ATS/JRS guideline)。
測定依頼方法
報告値が研究用の値である事をご理解頂けた方は、VEGF-D依頼書 (⇐こちらをクリック)に必要事項を記載し申込みを下記記載の依頼先メールへ送付をお願い致します。また、今後のLAM診療、研究の推進のため、LAM症例カード(⇐こちらをクリック)の作成にご協力頂けますと幸いです。
測定用の検体送付時の注意
・1 mL程度の凍結血清を当院に祝祭日を除く月曜日から金曜日に届くよう送付願います。また、送付時は到着予定日を事前に連絡の上、到着時間指定を午前中にして送付願います。また、110円分の切手を貼った返信用封筒を同包頂きますようお願い致します (結果報告用)。
・通常診療での個人情報の取り扱いとは異なり、研究用の測定値として取り扱うため検体送付時は、チューブに患者様の名前、ID等の個人を特定できるものは使用せずに測定依頼施設にて匿名化された数字、符号等の記載を行う。
測定費用に関する注意事項
VEGF-D値測定料金 (16,500円/検体_税込)を頂きます。測定結果報告書とともに請求書を送付させて頂きます。報告書を受領されましたら指定の納付期限までに支払処理をお願い致します。
問い合わせ、依頼先
国立病院機構総合 近畿中央呼吸器センター臨床研究センター
広瀬 雅樹
(mail: 409-VEGFD@mail.hosp.go.jp)
リンパ脈管筋腫症 (Lymphangioleiomyomatosis: LAM)の確定診断は、画像、病理所見をもとに行われる (https://www.nanbyou.or.jp/entry/339 : 難病情報センター)。しかし、典型的な画像所見と血管内皮細胞増殖因子 (Vascular Endothelial Growth Factor :VEGF)-D値の利用でLAM患者の約70 %が外科的肺生検を回避できる(1)。これまでにVEGF-D値のLAM診断に対する非侵襲的有用性が報告されてきた (2-3)。さらにVEGF-D値は臨床診断だけでなく、mammalian target of rapamycin (mTOR)阻害剤による治療反応性の判断にも有用 (3-4)で、LAM診断、 治療判定に有用なツールである。ただし、厚生労働省指定難病の診断基準では、胸部CT所見とVEGF-D値のみで診断することはできません。
測定対象
・リンパ脈管筋腫症患者 (sporadic and TSC)
・リンパ脈管筋腫症疑い患者
・嚢胞性肺疾患
・腎血管筋脂肪腫が認められる患者
測定方法
R&D Systems社製ELISA kit
・Human VEGF-D Quantikine ELSIA Kit (DVED00)
*現在、試薬製造上のトラブルにより測定kitの納品遅れが生じ、結果報告が遅延しております (2024年12月4日)。
VEGF-Dの報告値関して
本測定値は保険適用外なので、診療で参考にする際は必ず主治医の責任のもとに使用をお願い致します。報告値は研究用としての取り扱いとなりますが、その有用性は学術論文にて報告され、学術的根拠は担保されております (1-4)。また、米国胸部疾患学会 (ATS)と日本呼吸器学会 (JRS)の共同声明にて、LAM診断に対するVEGF-D値測定は強く推奨されております (ATS/JRS guideline)。
測定依頼方法
報告値が研究用の値である事をご理解頂けた方は、VEGF-D依頼書 (⇐こちらをクリック)に必要事項を記載し申込みを下記記載の依頼先メールへ送付をお願い致します。また、今後のLAM診療、研究の推進のため、LAM症例カード(⇐こちらをクリック)の作成にご協力頂けますと幸いです。
測定用の検体送付時の注意
・1 mL程度の凍結血清を当院に祝祭日を除く月曜日から金曜日に届くよう送付願います。また、送付時は到着予定日を事前に連絡の上、到着時間指定を午前中にして送付願います。また、110円分の切手を貼った返信用封筒を同包頂きますようお願い致します (結果報告用)。
・通常診療での個人情報の取り扱いとは異なり、研究用の測定値として取り扱うため検体送付時は、チューブに患者様の名前、ID等の個人を特定できるものは使用せずに測定依頼施設にて匿名化された数字、符号等の記載を行う。
測定費用に関する注意事項
VEGF-D値測定料金 (16,500円/検体_税込)を頂きます。測定結果報告書とともに請求書を送付させて頂きます。報告書を受領されましたら指定の納付期限までに支払処理をお願い致します。
問い合わせ、依頼先
国立病院機構総合 近畿中央呼吸器センター臨床研究センター
広瀬 雅樹
(mail: 409-VEGFD@mail.hosp.go.jp)
- Lisa R Young, Rhonda VanDyke et al. Serum vascular endothelial growth factor-D prospectively distinguishes Lymphangioleiomyomatosis from other diseases. Chest. 2010 Sep;138(3):674-81
- Lisa R Young, Yoshikazu Inoue, Francis X McCormack. Diagnostic potential of serum VEGF-D for lymphangioleiomyomatosis. N Eng J Med. 2008 Jan 10;358(2):199-200
- Masaki Hirose, Akiko Matsumuro Toru Arai et al. Serum vascular endothelial growth factor-D as a diagnostic and therapeutic biomarker for lymphangioleiomyomatosis. PloS One. 2019 Feb 28;14(2):e0212776
- Lisa R Young, Hye-Seung Lee, Yoshikazu Inoue et al. Serum VEGF-D a concentration as a biomarker of lymphangioleiomyomatosis severity and treatment response: a prospective analysis of the Multicenter International Lymphangioleiomyomatosis Efficacy of Sirolimus (MILES) trial. Lancet Respir Med. 2013 Aug;1(6):445-52
- McCormack FX, Gupta N, Finlay GR et al. Official American thoracic society/Japanese respiratory society clinical practice guidelines: Diagnosis and Management. Am J Respir Crit Care Med. 2016 Sep 15;194(6):748-61