間質性肺炎外来について
2022年10月14日掲載
間質性肺炎とは
肺は柔らかい小さな袋(肺胞:はいほう)の集まりで、その中には空気をたっぷり含んでいます。
小さな袋の壁は大変薄いのですが、その中には様々な細胞とともに血液が流れる血管が含まれています。
私たちは、無意識のうちに肺に空気を出し入れしていますが、肺の中では肺胞の薄い膜を通して、空気から血液中に酸素が入り、逆に老廃物である二酸化炭素が空気中に放出されています(いわゆる肺呼吸)。
普通の肺炎と言えば、ばい菌が肺の中で増加し発熱、咳、痰が出て、レントゲンでは肺が白くなります(通常一部)。
抗生物質で治療されて軽快します。
しかし、抗生物質が効きにくく、胸のレントゲン写真で左右の肺全体が白くなる場合“間質性肺炎”を疑う必要があります。
“間質性肺炎”は何らかの原因(関節リウマチ、皮膚筋炎、全身性強皮症などの膠原病、なんらかの異物の吸入、薬剤など)で肺胞の壁の中や周辺に“炎症”(皮膚で言えばやけど、肝臓で言えば肝炎のようなもの)が起こり、細胞やコラーゲンなどが増加し壁が厚くなる病気です。
そのため咳が出たり、酸素がうまく取り込めなくなり息苦しくなります。
“炎症”が治った後も傷が残り、肺が固くなる場合があります。
これを“肺線維症”と言います(図1 参照)。
皮膚で言えばケロイド、肝臓で言えば肝硬変が相当します。
肺がどんどん固くなり、膨らみにくくなると呼吸を維持出来なくなる事があります。
もっと詳しく見る ⇒ 呼吸器の病気-間質性肺炎