呼吸器科コース専修医研修カリキュラムこのページを印刷する - 呼吸器科コース専修医研修カリキュラム

当院における認定施設学会

 
日本呼吸器学会     認定施設 
日本内科学会      教育特殊関連施設
日本呼吸器内視鏡学会  認定施設
日本感染症学会     認定研修施設
日本臨床腫瘍学会    認定研修施設
日本病理学会      研修認定施設S
日本臨床細胞学会    認定施設
日本緩和医療学会    認定研修施設
日本心身医学会・日本心療内科学会     研修診療施設

当院の特徴

 当院は311(2020/04/01現在)床の呼吸器疾患専門病院です。
 一般病床250床(肺癌病床、呼吸器一般病床(非腫瘍性呼吸器疾患)、呼吸器集中治療室と呼吸器外科病床を含む)と緩和ケア病床21床、結核病床40床で診療しています。 
 様々な呼吸器疾患の急性期から慢性期まで単一病院で診療経験を積むことが可能です。
 非腫瘍性疾患の診療では、呼吸器難治性疾患・びまん性肺疾患(特発性間質性肺炎(特発性肺線維症など)、サルコイドーシス、膠原病に伴う慢性間質性肺炎、過敏性肺炎、喫煙関連肺疾患等)、稀少肺疾患(リンパ脈管筋腫症、肺胞蛋白症等)、慢性呼吸器感染症(非結核性抗酸菌症、肺真菌症)等の診療を行っています。
 その他、Common diseaseとして慢性閉塞性肺疾患、気管支喘息、市中肺炎など呼吸器感染症の診療、特殊な疾患として職業性肺疾患(じん肺)、睡眠時無呼吸症候群、慢性呼吸不全患者の診療を行っています。
 国内の施設や欧米の施設との共同研究を行い、標準的治療法の確立とともに新しい治療法の開発を目指した基礎および臨床研究も行っています。
 肺癌診療では、国内外の治験への参加や国内外の研究者との臨床試験などの共同研究への参画を通して、本邦の肺癌診療の中心施設の一翼を担っており、標準的な治療から様々な臨床試験まで幅広く診療しています。
 胸部腫瘍性疾患の新患は年間約約450例(2018年度)です。
 緩和ケア診療では、緩和ケアチーム・緩和ケア病棟を有しており、診断早期から終末期まで、身体症状から精神・心理症状まで、がんから非がん性疾患まで幅広い治療・ケアを行っています。
 また、緩和ケア領域の多数の臨床研究に参加をしています。
 結核診療では、排菌陽性例については陰圧個室を備えた結核病床での治療を行っています。
 難治性である多剤耐性結核についても新規抗結核薬や外科治療を含めた集学的治療で優れた成績を挙げており、西日本で唯一の高度専門施設に指定されています。
 当院は治験管理研究室を含む臨床研究センターを有し、呼吸器疾患の各領域について基礎研究、臨床研究、トランスレーショナル研究を行い、積極的に国際的共同研究も行っています。
 また、特殊なバイオマーカー(自己抗体や増殖因子)の開発、菌やがん組織の遺伝子解析などを行い、臨床に還元しています。
 研修過程で国際感覚を養うために、英語でプレゼン、英語で質疑をする抄読会を行っており、多くの医師が国際学会での発表を行っています。  
 また、年に1回程度海外からの医師の研修の受け入れも行っており、その際はカンファレンスのプレゼンも可能な範囲で英語で行っています。

 現在、日本呼吸器学会専門医20名(指導医7名)、日本感染症学会専門医3名、呼吸器内視鏡学会専門医10名(指導医5名)の呼吸器専門医が在籍しています。
 当院では呼吸器疾患に焦点を当てて、内科、外科、麻酔科、循環器科、放射線科、病理診断医を含む研究検査科、薬剤科、栄養管理室、心療内科、支持・緩和療法チーム、リハビリテーション科と看護部等が協力して診療に当たっています。
 当院に勤務する医師の出身大学は様々であり、前任の施設が多彩なため、各領域で多種多様の検討がされ、自由で活気のある雰囲気が特徴です。

研修目的

呼吸器疾患全般についての幅広い知識と専門的手技を修得し、質の高い医療を提供できる呼吸器専門医を育成することです。
 

研修目標

3年間の研修終了時に、他病院でも呼吸器専門医として活躍できる実力と経験の修得を目標とします。
また、各種学会の専門医取得に必要な学会発表や論文発表を3年間で業績として挙げるのを目標とします。

研修内容

1.呼吸器科コース
①一般呼吸器・呼吸器集中治療室(RCU)研修 
②肺癌・緩和ケア病棟研修
2.オプション
①サイコオンコロジー・緩和医療研修
②禁煙外来研修
 
研修期間は3年です。
呼吸器科コースでは肺癌・緩和ケア病棟研修1年間、一般呼吸器・RCU研修1年間(うち6ヶ月がRCU研修)、および自由選択1年間の合計3年間が研修期間です。

例)1年目:肺癌・緩和ケア病棟研修(または一般呼吸器・RCU研修)→2年目:一般呼吸器・RCU研修(または肺癌・緩和ケア病棟研修)→3年目:選択 

【研修の1例】

 

[一般呼吸器コース専修医の1週間の流れ(例 一般呼吸器・RCU研修中)]

一般呼吸器コース専修医の1週間の流れ

[一般呼吸器コース専修医の1週間の流れ(例 肺癌研修中)]

肺がん研修中スケジュール

[一般呼吸器コース年次研修到達目標]

*)肺癌診療では新入院年間60例の受け持ち患者数を目標とする。
 

到達目標
到達目標2

研修全般について

1.指導体制
 1名の専修医に対し1名の当院スタッフが指導医として担当します。
 2年目、3年目の専修医はそれぞれ年次が下の専修医の指導にあたります。
2.日常診療
 入院病棟での診療が中心ですが、外来診療・救急外来診療も行います。
 また、当院は、完全当直制のため(呼吸器内科スタッフが常時当直を行っているため)、夜間は、主治医がコールされる事はありません。
3.気管支鏡検査
 当院では4日/週(月・火・木・金)気管支鏡検査を行っています。
 各医師に気管支鏡検査の担当曜日が割り振られます。
 気管支鏡検査の1日の症例数は約6件です。年間約1000件の気管支鏡検査を実施しています。
 専修医には、積極的に術者として施行してもらい、年に最低でも60件の術者としての経験を積むことができます。
 EBUS(Endobronchial ultrasonography)、透視下針生検、内科的胸腔鏡検査などの検査の他に、気管支鏡的治療の高周波焼灼術、金属気道ステント、EWSなどにも取り組んでいます。当院ではこれらの手技を経験する機会があります。
4.剖検症例検討
 剖検症例について1年間5症例以上の臨床・画像・病理カンファレンス(CPC)を行います。
 内科担当医は臨床所見の要約、当該症例の問題点の指摘を行います。
 

呼吸器科コース概要

1.一般呼吸器・呼吸器集中治療室(RCU)研修(1年間)

1.1.一般呼吸器研修
慢性閉塞性肺疾患、気管支喘息、睡眠時無呼吸症候群、成人市中肺炎の治療および管理、呼吸器難治性疾患と稀少疾患、職業性肺疾患(じん肺等)を中心としたびまん性肺疾患の診断と治療、急性慢性呼吸器疾患の呼吸管理、肺結核、非結核性抗酸菌症、肺真菌症を中心とした呼吸器感染症の診断・治療を行います。
 
1.2.呼吸器集中治療室(RCU)研修(6ヶ月間)
急性呼吸不全、重症細菌性肺炎、急性間質性肺炎、慢性間質性肺炎の急性増悪、気管支喘息重責発作、COPD急性増悪、喀血などに対し、人工呼吸器管理(IPPV、NPPV)、血行動態モニター、血液浄化療法(PMX-DX、血漿交換、CHDFなど)など全身管理、集中治療を行います。全身管理に必要な基本的な手技(気道確保、CVC留置、動脈ライン確保、エコーなど)や分離肺換気などの特殊な人工呼吸管理の習得および、重症管理に重要な薬剤(鎮痛・鎮静薬、循環作動薬、抗不整脈薬など)使用への理解を目指します。麻酔科および内科医師3名、臨床工学技士、看護師、リハビリテーション科によるチーム医療を基本として診療にあたっています。
                       
1.3.カンファレンス
 びまん性肺疾患    月曜日 16:30~
  びまん性肺疾患を中心に新患症例、問題症例を検討します。
  一般呼吸器疾患に関する最新論文の抄読会もあります。
 結核・感染症    水曜日 16:30~
  主に肺結核症例、特に標準的化学療法が困難な症例を検討します。
  非結核性抗酸菌症や肺真菌症についても検討します。
 呼吸不全・リハビリテーション    木曜日 16:30~
  リハビリテーション科(理学療法士、作業療法士、言語療法士)との合同カンファレンスです。
 びまん性肺疾患外科的肺生検検討会           隔週    月曜日 17:00~18:00
  外科的肺生検症例を内科医、外科医、放射線科医、病理医にて臨床・画像・病理カンファレンス(MDD)を行います。
  外科的肺生検症例を1症例ごとにpower pointを用いた組織学的所見提示を含むMDDを行い、各症例の診療方針を検討します。
 RCU    月-金曜日 10:00~
  RCU入室中の症例について検討を行います。
 
 

2.肺癌・緩和ケア病棟研修(1年間)

2.1.肺癌研修
 肺癌診療における基礎となる画像診断、確定診断までの系統的なアプローチ、気管支鏡検査など侵襲的検査による診断、手技の修得を目指し、化学療法、放射線療法、緩和医療に習熟し、最終的には診断から治療まで系統的な診療が出来るよう目指します。
 胸膜中皮腫を含む胸膜・胸腔・胸壁疾患についても診療を行います。

2.2.緩和ケア病棟研修
 当院では2018年9月に開設されました。
 現在、原発性肺癌、縦隔腫瘍、悪性胸膜中皮腫などの胸部悪性疾患を対象に、院内だけでなく外部の病院からも受け入れを行い、心療内科、呼吸器内科医が診療にあたっています。
 研修では、メサペインを含むオピオイド鎮痛薬、鎮静、抗精神病薬、抗うつ薬の使用方法、呼吸困難への対処方法などを学ぶことができます。
 また多職種との各種カンファレンスでは、緩和ケアに関する多くの知識を学ぶことができます。
 緩和医療認定医・専門医に必要な症例を経験することが可能です。
 肺癌診療と同期間に、希望により選択可能です。
 
2.3.カンファレンス
 肺癌内科・外科合同/肺癌内科カンファレンス          火曜日 17:00~
  外科相談症例、新患症例を検討します。
 肺癌内科カンファレンス                                     木曜日 12:00~13:00
  肺癌グループの研究方針などを検討しています。腫瘍・緩和関連の最新文献の抄読会もあります。
 病棟カンファレンス
  各病棟にて再発症例、問題症例について毎週1回検討を行います。
 緩和ケア病棟カンファレンス                               月~金曜日 10:00~10:30
  緩和ケア病棟入院症例について多職種で検討を行います。
 緩和ケア病棟医師カンファレンス                         木曜日 16:45~17:45
  緩和ケア病棟入院症例について担当医が集まり検討を行います。
 

オプション研修概要

1.サイコオンコロジー・緩和医療研修
 サイコオンコロジー(精神腫瘍学)、がん緩和医療、一般呼吸器疾患の緩和医療の基本的なことについて支持・緩和療法チーム(以下PCT)に参加し研修可能です。
 肺癌診療、一般呼吸器研修を終了した後、または希望により2年目以降に選択可能です。
 研修期間は1週間から6ヶ月、12か月と柔軟に対応します。1年間で入院患者のPCTコンサルテーションは約450例(うちがん370例、非がん80例)と国内でも有数の依頼件数です。
 PCT内のカンファレンス、症例検討会、学会発表、院内教育セミナーも活発で、PCTのメンバーの心身医学/心療内科専門医、サイコオンコロジー学会認定登録医、緩和医療学会指導医/専門医/認定医、がん性疼痛看護/緩和ケア認定看護師、緩和専任薬剤師、公認心理師、管理栄養士など多様な専門職種より指導を受ける事ができます。
 このオプションコースと並行して、当院は日本緩和医療学会認定研修施設認定を受けていますので緩和医療学会指導医/専門医/認定医のもと、緩和医療専門医/認定医になるためのコースを設けています。
 また、どのコースを選択中でも、心療内科/支持・緩和療法チームへの対診を通して、がん緩和医療、精神腫瘍学(精神的サポート、せん妄治療など)、一般呼吸器疾患の緩和医療の研修が可能です。
 
2.禁煙外来研修
 呼吸器診療には欠かせない禁煙外来について、見学から実際の診療まで研修可能です。
 スタッフは医師3名、看護師2名です。禁煙外来は毎回医師の診察と看護師によるカウンセリングを12週間で計5回から成ります。
 禁煙外来は禁煙を考えている方々と一緒に取り組み、禁煙の過程や、達成できたことを褒めあう場所です。
 日常診療での患者さんや医療スタッフとの円滑な関係構築にも役立つと考えています。
 
3.CTガイド下生検研修
 気管支鏡検査では診断困難な肺病変(縦隔・胸壁を含む)について、当院では内科医のみでCTガイド下生検を行っています。
 年間20例程度の実施があります。随時見学もできますし、希望すれば検査チームに入り、術者になることも可能です。
 
4.BAE/PAE・右心カテーテル研修
4.1.気管支動脈塞栓術 (BAE: Bronchial arterial embolization) / 肺動脈塞栓術(PAE: Pulmonary arterial embolization)
 肺MAC症や肺アスペルギルス症などの慢性呼吸器感染症を数多く診療する当院では、しばしば喀血の対応をしなければならないことがあります。
 その他にも特発性喀血や気管支拡張症、陳旧性肺結核に伴う喀血も経験します。
 喀血のマネージメントとして、呼吸管理や止血剤投与のみならずBAEを行なっております。
 また、喀血や奇異性塞栓の原因となる肺動静脈奇形に対しては、PAEを施行しております。他の研修とも合わせて原疾患の診断、治療とこれに伴う喀血のマネージメントや塞栓術の適否について学んでいただくことができます。
 この手技は呼吸器内科医、臨床工学士、放射線技師、看護師によるチームで水曜日と金曜日の週2回行っており、金曜日の午後にはカンファレンスを開催しています。
 また、BAEでの止血効果が得られにくい症例では、気管支塞栓術(EWS)や外科手術を行うこともあります。
 BAEは年間80~85例程度、PAEは年間6~7例程度の症例があります。
 随時見学、また強い希望があれば手技の習得を目指した研修も可能です。
4.2.右心カテーテル検査 (RHC: Right heart catheterization)
 間質性肺炎やCOPDなどの呼吸器疾患には肺高血圧の合併がしばしば認められ、その確定診断や右心機能の評価にはRHCが必要です。
 呼吸器疾患合併肺高血圧は予後不良ですが、治療エビデンスが乏しい領域なので、RHCが治療に結びつかないこともしばしばあります。
 しかし、この検査は肺移植登録前の評価には必須のものですし、患者の病態を理解しマネージメントする上で有用な検査です。
 当院では循環器内科医と呼吸器内科医、臨床工学士、放射線技師、看護師によるチームで木曜日の午前中に検査を実施しています。
 RHCは年間10~20例程度の症例があります。
 随時見学、また興味があれば実際に手技の研鑽を積んでいただくことも可能です。
 
5.治験・臨床研究について
 当院では各分野のエビデンスを構築する目的で多数の治験・臨床研究を行っています。
 治験・臨床研究に参加しながら、臨床研究の立案から実施にいたるまでに、必要な知識やルールを学んでいただきます。
 また介入試験を通じて最先端の治療を学ぶことができ、将来の標準治療の礎を築く機会が得られます。
 また、当院の医師が臨床研究を計画する過程を学び、参加することも可能です。
 

その他、各種勉強会など

STAR Meeting                        月曜日 08:00~
 海外の論文をPower Pointを使用して英語で発表、討議する。
 英語でのプレゼンテーション、ディスカッション能力を向上し、海外学会での発表を目標とします。
KINCOM                        木曜日 08:00~
 Oncologyを中心とした英語による学会形式の発表、討論。海外学会発表を見据えた国際的な医師の育成を目指します。
画像勉強会             金曜日 08:00~
 呼吸器疾患の画像の成書(洋書)を輪読しながら、画像の勉強をします。
BLS/ACLS
 当院にはAHAのBLS/ACLSインストラクターが在籍し、院内外でBLS/ACLS活動・研修に参加可能です。
臨床研究センターセミナー    月曜日 12:00~12:30
 各研究部の基礎的臨床的研究発表。研究員、研究補助員参加。
研究ワークショップ         随時開催
 研究計画書の記載方法、IRB申請方法、助成金申請方法、統計解析の方法、論文の書き方、Letterの書き方など、研究に係るテーマについて若手の先生方にニーズに応じてワークショップを開催しています。