感染対策について
当院は呼吸器疾患に特化した専門病院です。
そのため肺結核、インフルエンザなど各種感染症の患者さんが受診されますので、他の患者さんに感染を広げないための対策が必要となります。
当院では、感染症専門医と感染対策ナースを含む感染対策チームが中心となって院内感染対策に取り組んでいます。
肺結核
結核は空気感染により広がる感染症です。しかし他人へうつしやすく問題となるのは、実は結核と診断される前の患者さんです。診断がついて治療が開始されると感染性は急速に低下します。 また、入院された結核患者さんには感染予防のためのマスク着用をお願いしております。したがって、入院して治療が開始された後の患者さんは、感染源としては実は大きな問題にはならないのです。当院では、感染防止のために、最初から診断のついている患者さんには直接、結核病棟に入院していただいております。また初診で来られた患者さんで、結核が疑われたり咳が多い場合には、直ちにマスクを着けていただき、優先的に検査を行って迅速に診断ができるようにしております。また、一部の感染性の強い患者さんについては、空調施設を備えた個室病室への入院をお願いしております。
MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)
黄色ブドウ球菌は健康人の鼻腔によく住み着いている菌です。近年メチシリンを始めとする種々の抗生物質が効かなくなった黄色ブドウ球菌が増えており、これをMRSAと呼んでいます。MRSA自体は、健康な人にも高頻度で見つかる菌であり、通常はそこにいるだけで特に病気を起こしているわけではありません。しかし手術後の患者さんや新生児へ感染させてしまうと病気を引き起こす危険性があります。当院では、入院患者さん全員に対して鼻の検査を行い、MRSAを保有しているかどうか調べさせていただいています。MRSAを保有していると判明すれば、菌を殺す薬を鼻に塗ったり、場合によっては病室を調整させていただくことがありますので、ご了承ください。
インフルエンザ
インフルエンザはインフルエンザウイルスによる感染症で、感染力が強いために冬場の流行期に問題となります。特に肺に病気を持っている人にとっては大きな問題です。全くかからないようにするのは難しいのが現状ですが、毎年シーズン前にワクチンを接種しておけば、たとえかかっても重症にならずにすむことが判明しています。当院でも、ご高齢で基礎疾患のある患者さんにはワクチン接種をお勧めしています。また、入院患者さんがインフルエンザにかかった場合、周囲の患者さんに予防のための薬を服用していただいております。外泊した際に感染を受けることも多いので、とくにシーズン中は極力外泊を控えていただきますようお願い致します。
この他にもさまざまな感染症があり、また近年の新型インフルエンザなどでみられるように新たな病原体が問題となることもあります。当院の感染制御チームはつねに最新の情報を入手し、さまざまなガイドラインをもとにして院内感染の防止に努めています。
今後ともご協力のほどよろしくお願いいたします。