慢性閉塞性肺疾患(COPD)
目 次
1.COPD(シーオーピーディー)とは2.COPDによっておこる肺の変化
3.COPDの症状
4.COPDの検査
5.COPDの治療
6.身体障害者の申請
7.介護保険
慢性閉塞性肺疾患
1.COPD(シーオーピーディー)とは
COPDは息切れと、長く続く咳と痰を特徴とする病気です。ほとんどの場合タバコが原因で、その害が長年に蓄積して起こる病気なので、中年以降に症状が出てきます。慢性気管支炎(まんせいきかんしえん)、あるいは肺気腫(はいきしゅ)という病名をお聞きになったことがあるかもしれませんが、現在このような病気をまとめてCOPDとして取り扱うようになっています。ちなみに、この病気の正式名称は慢性閉塞性肺疾患(まんせいへいそくせいはいしっかん)といい、その英語病名であるChronic Obstructive Pulmonary Diseaseの頭文字 COPDを病名としています。
2.COPDによっておこる肺の変化
肺は気管、気管支(以上を気道といいます)と肺胞(体内に酸素を取り入れ炭酸ガスを排出するための空気を溜める袋状の構造)のからできています。タバコに含まれる有害物質はそのいずれの部分も破壊し肺の働きを低下させます。
3.COPDの症状
4.COPDの検査
5.COPDの治療
- 長時間作用型抗コリン薬(商品名スピリーバ吸入):一日一回吸入で効果が期待できるCOPDの治療の基本となる薬剤といわれています。COPDによる肺の障害が軽い場合、早期からこの薬剤を使用した場合はCOPDの悪化のスピードを遅くできるとの大規模臨床試験の報告もあります。緑内障がある場合は使えません。前立腺肥大がある場合は排尿困難が悪化する場合がありますが中止すれば症状は改善します。
- 長時間作用型ベータ2刺激薬(商品名ホクナリンテープ、セレベント吸入など):副作用は脈拍の増加、手の振え、貼り薬では皮膚のかゆみなどです。
- 徐放性テオフィリン薬(商品名テオロングなど):副作用は吐き気、脈の乱れなどです。
- 副腎皮質ホルモン(ステロイド):吸入ステロイド剤単独あるいは②の長時間作用型ベータ2刺激薬を含む合剤(商品名アドエアなど)が一部の患者さんに使用されることもあります。
6.身体障害者の申請
呼吸機能障害があると思われる場合は、市町村の福祉事務所あるいは役所の障害福祉課から身体障害者の申請書類を取り寄せ、呼吸機能障害身体障害者認定の指定医(当院にも複数名指定医資格をもった医師がいます)に障害程度を認定してもらいます。身体障害者に認定されると身障者手帳が交付され、福祉サービスを受けることができます。サービス内容は障害の程度と自治体によって異なります。