
2026年4月1日付をもちまして、近畿中央呼吸器センター院長を拝命いたしました。私は少年期から大学時代にかけて当院近隣で過ごしました。当時の当院は結核療養所で、病院の塀も高く、地域に開かれた施設という印象ではありませんでした。時は流れ、結核患者数は減少し、代わって肺がん、COPD、間質性肺疾患、非結核性抗酸菌症が増加しています。現在の当院の理念は「地域に根ざした高度な医療の提供」です。私たちは、地域に求められ、地域を支える病院でありたいと願っております。2020年に始まった新型コロナウイルス感染症の流行に際しても、当院の呼吸器専門施設としての機能を活かし、患者さまを積極的に受け入れてまいりました。今後も地域の皆さまや連携医療機関の皆さまの安心をお支えするため、地域のニーズにお応えしてまいります。
以下、各診療部門をご紹介いたします。肺がんにおいては、気管支鏡検査から診断・治療までを短期間で完結でき、遺伝子変異を高感度に検出できる体制を整えています。治療では、手術、放射線治療(最新のリニアック装置)、抗がん剤、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬など、最新の治療を提供しています。また、緩和ケア病棟を有し、肺悪性腫瘍に限らず他臓器の悪性腫瘍にも対応しています。
肺がん以外の呼吸器疾患手術では、膿胸、気胸に力を入れています。
感染症は肺炎(細菌性・誤嚥性)に加え、非結核性抗酸菌症や肺結核にも幅広く対応しております。COPDに対しては、吸入気管支拡張薬、呼吸リハビリテーション、在宅酸素療法に加え、気管支バルブ治療を実施しています。気管支喘息に対してはステロイド・気管支拡張薬の吸入療法に加え、難治例には最新の生物学的製剤を用いた治療を行っています。喀血・血痰に対しては気管支動脈塞栓術にも力を入れています。間質性肺疾患に対しては、気管支鏡下クライオ生検、MDD(多職種合同カンファレンス)、抗線維化薬による治療に力を入れています。
研究面では、臨床研究センターを有し、数多くの治験・臨床研究を実施して先進的医療の創出に貢献しています。教育・人材育成の面では、教育研修部を中心に、各種研修会を通じて質の高い医師・看護師の育成に努め、安心・安全な医療を推進しています。
昨今の物価高騰に伴う薬剤費・医療材料費の上昇など、病院医療を取り巻く環境は一層厳しさを増しておりますが、地域医療への貢献を第一に、地域の呼吸器中核病院としての役割を果たすべく、職員一同、引き続き努力してまいります。今後とも温かいご支援とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
2026年4月1日
院長 橘 和延








