放射線治療とは
放射線治療では、放射線を照射してがん(腫瘍)を治療します。外科手術のように病変部や周囲の正常な臓器を切除することがないため、身体の負担も後遺症のリスクも軽減できます。病状によっては入院せずに通院のみで治療を受けられることも大きな特徴です。
がんの種類や進行度に応じて、根治を目指す治療から症状緩和を目的とした治療まで、幅広く対応しています。
当院の放射線治療装置:TrueBeam Edge
2023年7月より、放射線治療装置「TrueBeam Edge(トゥルービーム・エッジ)」を導入しました。
この装置では、がんをねらってピンポイントで照射する高精度治療が可能です。

主な特徴
マルチリーフコリメータ(MLC)
TrueBeam Edge の MLC は一般的な放射線治療装置と異なり、厚さ2.5 mmと非常に細かく、がんの形に合わせて精密に放射線の形状を調整できます。
一般的な装置のMLC(厚さ5.0 mm)は腫瘍の形に合わせられますが、細かな形状の再現は2.5 mmほど細かくはできません。
- 画像誘導装置
X線画像でがんの位置を正確に確認し、照射位置を細かく修正できます。 - 呼吸同期システム
呼吸に合わせて照射タイミングを調整し、正常組織への影響を抑えることができます。
これらの技術により、がんにしっかり放射線を当てながら、周囲の正常な組織への影響を最小限に抑えることができます。
呼吸による腫瘍の動きへの対応
肺や肝臓などのがんは、呼吸によって位置が動くため、治療時にはその影響を考慮する必要があります。当院では以下の技術を用いて動きに対応しています。
- 息止め照射法
- 呼吸同期照射法
- 腹部圧迫法
上記3つの方法により、がんにしっかり放射線を当てながら、正常な臓器への影響を最小限に抑えることができます。
高精度定位放射線治療(ピンポイント照射)
当院では、脳腫瘍に対する高精度な定位放射線治療も行っています。がんのある部分にだけ放射線を集中して照射することで、正常な脳組織への影響を最小限に抑えながら、効果的な治療を行うことができます。
AlignRTによる体表面誘導技術(SGRT)


より安全で快適な治療を提供するため、当院では最新の体表面位置合わせ装置「AlignRT(アラインRT)」を導入しています。
AlignRTの特徴
- 非接触・非侵襲で、体に触れることなくカメラで体表面をスキャン
- 0.5 mm 以下の高精度で体位を調整
- 皮膚へのマーキングが不要
- 毎回の体位を正確に再現することで、照射精度が向上し、副作用の軽減につながります
特に乳がん治療において体表面の位置合わせは重要であり、AlignRT は非常に有効です。
DIBH(深吸気息止め照射)との併用
左側乳がんでは心臓が乳房の近くにあるため、心臓へ放射線が当たるリスクがあります。DIBH(Deep Inspiration Breath Hold:深吸気息止め)は、息を大きく吸って肺を広げた状態で照射することで、
- 心臓が後方に移動
- 乳房との距離が広がる
心臓への線量を大幅に減らすことができる方法です。
さらに AlignRT と併用することで、毎回安定した息止めと体位の再現が可能となり、より安全で精度の高い治療が行えます。

自由呼吸時:心臓が胸壁に近く、照射野に入りやすくなります。

深吸気時:胸が広がり心臓が後方へ移動するため、心臓への線量が減ります。
安心して治療を受けていただくために
当院では、専門のスタッフが丁寧に対応し、患者さま一人ひとりに合わせた治療を行っています。ご不明な点がございましたら、医師・看護師または診療放射線技師までお気軽にご相談ください。

治療について








