TEL:072-252-3021

  • アクセス

呼吸器科コース専攻医研修カリキュラム

研修カリキュラムについて

近畿中央呼吸器センターの呼吸器科コース専攻医研修カリキュラムは、呼吸器疾患全般にわたる幅広い知識と専門的手技を修得し、質の高い医療を提供できる呼吸器専門医の育成を目的とした研修プログラムです。当院は311床の呼吸器疾患専門病院として、一般呼吸器疾患から肺癌・緩和ケア・結核・呼吸器感染症まで、急性期から慢性期にわたる多彩な症例を単一施設で経験できます。

当院の特徴

  1. 急性期から慢性期まで、単一施設で幅広い呼吸器疾患を経験

    当院は311床の呼吸器疾患専門病院です。一般病床250床(肺癌病床、呼吸器一般病床(非腫瘍性呼吸器疾患)、呼吸器集中治療室、呼吸器外科病床を含む)、緩和ケア病床21床、結核病床40床で診療しています。さまざまな呼吸器疾患の急性期から慢性期まで、単一病院で短期間に診療経験を積むことが可能です。
    一般呼吸器疾患(非腫瘍性疾患)では、びまん性肺疾患(特発性間質性肺炎、サルコイドーシス、膠原病に伴う慢性間質性肺炎、過敏性肺炎、喫煙関連肺疾患等)、稀少肺疾患(リンパ脈管筋腫症、肺胞蛋白症等)、慢性呼吸器感染症(非結核性抗酸菌症、肺真菌症)等の診療を行っています。COPD、気管支喘息、気胸、市中肺炎、職業性肺疾患(じん肺)、睡眠時無呼吸症候群、慢性呼吸不全なども幅広く診療し、呼吸不全・肺高血圧・喀血のマネージメントや症状緩和にも力を注いでいます。

  2. 肺癌・緩和ケア・結核における高度専門医療

    肺癌診療では、国内外の治験・共同研究に参画し、本邦の肺癌診療の中心施設の一翼を担っています(胸部腫瘍性疾患の入院患者は544例/2024年度)。緩和ケア診療では、緩和ケアチーム・緩和ケア病棟を有し、診断早期から終末期まで、がん・非がんを問わず幅広い治療・ケアを行っています。結核診療では、陰圧個室を備えた結核病床を有し、多剤耐性結核にも新規抗結核薬や外科治療を含めた集学的治療で優れた成績を挙げており、西日本で唯一の高度専門施設に指定されています。

  3. 臨床研究と国際的な活動

    臨床研究センター(治験管理研究室を含む)を有し、基礎・臨床・トランスレーショナル研究や国際共同研究を行い、特殊なバイオマーカーの開発や遺伝子解析などを臨床に還元しています。研修では英語での抄読会を行い、多くの医師が国際学会で発表しています。

  4. 多彩な専門医と多職種によるチーム医療

    現在、日本呼吸器学会専門医22名(指導医15名)、日本感染症学会専門医2名(指導医2名)、呼吸器内視鏡学会専門医14名(指導医4名)、日本アレルギー学会専門医3名、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医2名が在籍しています。内科・外科・麻酔科・放射線科・病理(研究検査科)・薬剤科・栄養管理室・心療内科・支持緩和療法チーム・リハビリテーション科・看護部等が協力して診療にあたっています。出身大学・前任施設が多彩で、自由で活気のある雰囲気が特徴です。

研修目的・目標

研修目的

呼吸器疾患全般についての幅広い知識と専門的手技を修得し、質の高い医療を提供できる呼吸器専門医を育成することです。

研修目標

研修終了時に、他病院でも呼吸器専門医として活躍できる実力と経験を修得することを目標とします。また、各種学会の専門医取得に必要な学会発表や論文発表の業績をあげることを目指します。

研修内容

1.呼吸器科コース

  1. 一般呼吸器・呼吸器集中治療室(RCU)研修
  2. 肺癌・緩和ケア病棟研修
  3. 呼吸器感染症研修(結核を含む)

2.オプション

  1. サイコオンコロジー・緩和医療研修
  2. 麻酔科研修
  3. 右心カテーテル検査、気管支動脈塞栓術
  4. 禁煙外来研修
  5. 治験・臨床研究

呼吸器専門医制度に準拠した研修を基本とし、連携施設も考慮して医師ごとに設定します。標準的な2年間の研修では、一般呼吸器・RCU研修1年間、肺癌・緩和ケア病棟研修1年間となり、同時に結核やCOVIDの研修も行います。希望に応じてさまざまな研修を選択できます。

専攻医の1週間の流れ

例:一般呼吸器・RCU研修中

一般呼吸器・RCU研修中

例:肺癌研修中

肺癌研修中

一般呼吸器コース年次研修到達目標

一般呼吸器コース年次研修到達目標
  • 肺癌診療では新入院年間60例の受け持ち患者数を目標とする。
到達目標

研修全般について

指導体制

1名の専攻医に対し1名の当院スタッフが指導医として担当します。2年目・3年目の専攻医は、それぞれ下級研修医の指導にあたります。

日常診療

入院病棟での診療が中心ですが、外来診療・救急外来診療も行います。完全当直制(呼吸器内科スタッフが常時当直)のため、基本的に時間外に主治医がコールされることはありません。

気管支鏡検査

週4日(火・水・木・金)実施し、年間約1000件。後期研修医は積極的に術者として、年に最低60件の術者経験を積むことができます。EBUS、透視下針生検、クライオ生検、内科的胸腔鏡検査のほか、気管支鏡的治療(高周波焼灼術、金属気道ステント、EWS、気管支バルブ治療等)にも取り組んでいます。

その他の手技

右心カテーテル(木)、気管支動脈塞栓術(水・金)、CV、PICC等を経験する機会があります。

剖検症例検討

剖検症例について臨床・画像・病理カンファレンス(CPC)を行います。

呼吸器科コース概要

1.一般呼吸器・呼吸器集中治療室(RCU)研修(1年間)

一般呼吸器研修

COPD、気管支喘息、睡眠時無呼吸症候群、成人市中肺炎などの治療・管理、呼吸器難治性疾患・稀少疾患、職業性肺疾患(じん肺等)を中心としたびまん性肺疾患の診断と治療、急性・慢性呼吸器疾患の呼吸管理、肺結核・非結核性抗酸菌症・肺真菌症を中心とした呼吸器感染症の診断・治療を行います。多種多様な症例を短期間で経験でき、治験・臨床試験の診療経験も積めます。外科的肺生検やクライオ生検による診断を積極的に実施し、MDD(多分野合議診断)カンファレンスを定期開催しています。

呼吸器集中治療室(RCU)研修

急性呼吸不全、重症肺炎、急性・慢性間質性肺炎の急性増悪、喘息重積発作、COPD急性増悪、喀血などに対し、人工呼吸器管理(IPPV・NPPV)、血行動態モニター、血液浄化療法などの全身管理・集中治療を行います。基本的手技や特殊な人工呼吸管理の習得を目指し、麻酔科・内科医師、臨床工学技士、看護師、リハビリ科によるチーム医療で診療にあたります。

主なカンファレンス

びまん性肺疾患(月16:30~)/呼吸不全・リハビリテーション(木16:30~)/MDDカンファレンス(隔週月17:00~)/RCU・病棟カンファレンス

2.肺癌・緩和ケア病棟研修

肺癌研修

画像診断、確定診断までの系統的アプローチ、気管支鏡など侵襲的検査による診断・手技の修得を目指し、化学療法・放射線療法・緩和医療に習熟し、最終的に診断から治療まで系統的な診療ができるよう目指します。胸膜中皮腫を含む胸膜・胸腔・胸壁疾患も診療します。

緩和ケア病棟研修

2018年9月開設の緩和ケア病棟で、原発性肺癌・縦隔腫瘍・悪性胸膜中皮腫などの胸部悪性疾患を中心に、院内外から受け入れています。オピオイド鎮痛薬・鎮静・抗精神病薬・抗うつ薬の使用方法、呼吸困難への対処などを学べ、緩和医療認定医・専門医に必要な症例を経験できます。肺癌研修と同期間に希望により選択可能です。

主なカンファレンス

肺癌内科・外科・放射線科合同(火16:30~)/肺癌内科(金12:00~)/緩和ケア病棟カンファレンス(月~金10:00~)ほか

3.呼吸器感染症研修(結核を含む)

陰圧設備を備えた結核病棟で排菌結核患者の診療を行います。当院は東京の複十字病院とともに結核の高度専門施設に指定されており、多剤耐性結核など難治性症例を多数受け入れています。結核化学療法の基本、IGRAに基づく潜在性結核感染(LTBI)治療を含めた感染対策など、結核診療の基礎を学べます。
増加傾向の著しい非結核性抗酸菌症の診療にも力を入れ、外科治療選択も含めカンファレンスで方針を決定し、喀血に対しては気管支動脈塞栓術を積極的に行っています。肺炎についても近隣から多数紹介され、細菌検査室との緊密な連携のもとに治療方針を決定します。当院は日本感染症学会認定研修施設であり、感染症専門医の認定申請が可能です。

主なカンファレンス

結核・感染症カンファレンス(水16:30~)

オプション研修概要

1.サイコオンコロジー・緩和医療研修

支持・緩和療法チーム(PCT)に参加し研修可能。1週間~12か月と柔軟に対応。年間のPCTコンサルテーションは約500例(うちがん348例、非がん151例)と国内有数。多様な専門職種から指導を受けられ、緩和医療専門医・認定医を目指すコースもあります。

2.麻酔科研修

気道管理を含む麻酔科的手技・知識・経験を習得し、急性呼吸不全管理など呼吸器集中治療に役立つ技量の習得を目指します。

3.BAE/PAE・右心カテーテル研修

喀血に対する気管支動脈塞栓術(BAE:年間80~85例)、肺動静脈奇形に対する肺動脈塞栓術(PAE:年間6~7例)、肺高血圧の評価に必要な右心カテーテル検査(RHC:年間20~30例)を、チームで実施。見学から手技習得まで可能です。

4.禁煙外来研修

医師の診察と看護師によるカウンセリングを12週間で計5回。見学から実際の診療まで研修可能です。

5.治験・臨床研究

多数の治験・臨床研究に参加しながら、立案から実施までに必要な知識やルールを学び、最先端の治療を経験できます。

その他(各種勉強会など)

  • English Journal Club(火8:30~):海外論文を英語で発表・討議し、海外学会での発表を目標とします。
  • BLS/ACLS:AHAのBLS/ACLSインストラクターが在籍し、院内外で活動・研修に参加可能です。
  • 臨床研究センターセミナー(月12:00~):各研究部の基礎的・臨床的研究発表。
  • 研究ワークショップ(随時):研究計画書の記載、IRB申請、助成金申請、統計解析、論文の書き方など、研究に係るテーマで開催しています。

当院における認定施設・学会

  • 日本呼吸器学会 認定施設
  • 日本内科学会 教育特殊関連施設
  • 日本呼吸器内視鏡学会 認定施設
  • 日本感染症学会 認定研修施設
  • 日本臨床腫瘍学会 認定研修施設
  • 日本病理学会 研修認定施設
  • 日本臨床細胞学会 認定施設
  • 日本緩和医療学会 認定研修施設
  • 日本心身医学会/日本心療内科学会 研修診療施設