シェーグレン症候群とは
シェーグレン症候群は、涙腺、唾液腺の炎症により、主に口腔内や角膜の乾燥による症状を示す自己免疫疾患です。
唾液腺、涙腺に関連した症状以外に、肺、肝臓、皮膚、甲状腺、神経などに様々な臓器の障害による症状が出現することがあります。
また、関節リウマチなどの他の膠原病に合併する二次性シェーグレン症候群も存在します。
症状
涙液(なみだ)の減少により、目の乾燥とそれに伴う目の痛み、かゆみ、充血をきたします。
また、唾液の減少による口腔内の乾燥とそれに伴う口内炎や味覚障害を引き起こします。
さらに、唾液腺、涙腺に関連したもの以外の症状として、発熱、全身のだるさ、皮疹、関節痛などが生じることがあります。
肺病変を有する場合には咳や呼吸困難といった呼吸器症状を呈します。
診断・治療
シェーグレン症候群は、
①唾液分泌量を測定するガムテスト(ガムを10分間噛む間に分泌された唾液量を測定)やサクソンテスト(乾燥したガーゼを2分間噛む間に分泌された唾液量を測定)といった検査
②涙の分泌量を測定するシルマーテスト(目尻に試験紙を挟み、5分間に分泌される涙の量を測定)などの眼科医による検査
③抗SS-A抗体、抗SS-B抗体という抗体を測定する血液検査
④口唇腺組織の生検
などによって、総合的に診断されます。
肺とのかかわり
シェーグレン症候群では、間質性肺炎や気道病変などの肺病変を伴うことがあります。
肺病変の多くが慢性経過の間質性肺炎ですが、急性から亜急性と言われる数か月以内の経過で間質性肺炎を発症する場合もあります。
間質性肺炎により、痰を伴わない空咳や呼吸困難を認め、また気道病変を合併した場合には痰を伴う咳を呈することもあります。
肺病変の有無や重症度を評価する目的で、胸部X線検査や胸部CT検査、肺機能検査を行います。
また他の病気の可能性も考えて、気管支鏡検査や全身麻酔をかけて外科的に肺の組織をとる場合もあります。