肺真菌症

肺の真菌症とは

肺に真菌(カビ)が感染した病気のことを言います。
肺の代表的な真菌症には肺アスペルギルス症、肺クリプトコックス症があります。

 

真菌症に罹患する原因

健康な方で感染を起こすことはまれですが、ステロイド、免疫抑制薬、抗癌剤治療といった免疫力をおとす薬を飲んでいる患者さんに見られることがあります。

 

肺真菌症の症状

発熱、咳、痰、血痰、喀血、体重減少などが見られることがあります。
一方、無症状でレントゲンやCT検査で発見されることもあります。

 

肺真菌症の種類

1)肺アスペルギルス症

 ①慢性肺アスペルギルス症

  慢性肺アスペルギルス症は肺の単一の空洞の中に菌の塊である菌球を持つ単純性肺アスペル
  ギローマと、それ以外の慢性進行性肺アスペルギルス症(CPPA)に分類されます。
  肺結核後、肺気腫、気管支拡張症、塵肺、胸部の手術後などで肺に空洞がある場合に発症す
  ることが多いです。

 ②侵襲性肺アスペルギルス症(IPA)

  血液疾患、ステロイドや免疫抑制薬の投与、臓器移植後などの免疫不全が発症のリスクとな
  ります。
  発熱、血痰、咳嗽、胸痛、呼吸困難などの症状が急速に進行します。
  単発あるいは多発の結節影、空洞を伴う浸潤影を認めることが多く、halo signやair-cresc
  ent signといった特徴的な画像所見があります。
  さらにHalo signを認める場合は抗真菌薬に良好な反応を示すと言われています。

2) 肺クリプトコックス症

  免疫抑制状態は感染のリスク因子となりますが、基礎疾患の無い健常人でも発症することが
  特徴的です。
  鳩などの鳥の糞便中や土壌中のCryptococcus neoformansを吸入することで感染すると
  言われています。
  咳嗽や喀痰の症状が見られますが、無症状の場合も多いです。
  胸部CTでは胸膜下の単発および多発結節影として認めることが多く、肺癌との鑑別が必要と
  なります。
  腫瘤の中の空洞や浸潤影を呈する事もあります。
  重症例では髄膜炎を合併する例も見られるため、脳脊髄液の検査も実施することがあります。


肺真菌症の診断

肺真菌症では、血液検査で真菌陽性となる率は、アスペルギルス抗体という検査で約90%、アスペルギルス抗原という検査で約30%、β-Dグルカンという検査で約20%です。

症状や画像検査を合わせて総合的に診断します。


肺真菌症の治療

真菌症に対する治療としては抗真菌薬を用います。
ただし、肺アスペルギルス症で病変が肺の一部に限局している場合には手術で取り除くこともあります。
抗真菌薬にはいくつか種類があり、真菌の種類によって抗真菌薬を選択します。