試験の目的
6分間歩行試験とは、6分間平地を歩いていただくことによって、肺や心臓の病気が日常生活の労作にどの程度障害を及ぼしているのか調べるための検査です。
試験で分かること、必要な理由
病気によりどの程度運動能力が障害されているのか調べます。その結果以下の事を知ることができ、呼吸器、循環器疾患では重要な検査です。
1.病気により日常生活において運動能力がどの程度障害されているか知る。
2.どの程度の運動(歩行速度等)が適当であるか知る。
3.間質性肺炎や慢性閉塞性肺疾患(肺気腫)などの呼吸器疾患の重症度を知ることができる。
4.酸素吸入が必要かどうか、酸素濃度が適当であるかどうか知ることができる。
5.リハビリテーション、薬、手術による治療の効果を知ることができる。
6.特発性間質性肺炎という難病の方については、医療費の補助を受けられるかどうかを評価するための検査として指定されています。
試験の内容と注意事項
30メートルの直線距離を往復していただき、6分間に歩ける距離と酸素(指に機械をつけて測定、酸素飽和度と言います)の変化、終了後の回復時間を調べます。ご自分のペースよりも速い速度で努力して歩いていただく必要がありますが、息切れや疲労があれば、ペースを落としたり、止まって、壁にもたれて休憩したりしていただいても構いません。歩行後酸素飽和度がある一定の値まで低下した場合、そこで終了です。
胸の痛み、強い呼吸困難、足のけいれん、ふらつき、冷や汗などを感じられた場合には、安全のために検査を中止する必要がありますので、必ず申し出てください。検査中の歩行距離、歩行中の酸素飽和度、息切れの程度を評価項目として記録させていただきます。医師または医師の指示をうけた技師が検査に立ち会うことになります。
試験に伴う危険性とその対策
基本的には、歩いていただくだけの検査であり、危険は少ないと考えられています。しかしながら、病気の状態や年齢によっては、全身状態の変化をきたす可能性があります。日常生活でも発生しうる脳梗塞、心筋梗塞、狭心症、不整脈が偶然、この検査の歩行中に発生する可能性、転倒、骨折を起こされる可能性も考えられます。
繰り返しますが、胸の痛み、強い呼吸困難、足のけいれん、ふらつき、冷や汗などを感じられた場合には、検査を注ししますので、必ず申し出て下さい。必要な場合は、治療や入院が必要になる場合もあります。また、転倒防止のためには、杖をお使いの方は普段通りお使いいただき、靴は歩きやすいものをご用意下さい。
なお、検査のために調子が悪くなった場合は最善の処置を行いますが、その際の医療に関しては通常の保険診療として患者様のご負担となります。
患者の自己決定権
*この検査の実施については、あなたに自己決定権があります。
*予定される検査を拒否した場合にも、今後の医療行為に関して不利益を受けることはありません。
セカンドオピニオンと質問の自由
他の医療機関でセカンドオピニオンを希望される場合は、必要な診療情報を速やかに提供いたします。内容に関してわからないこと,質問のある場合には担当医に自由に質問することができます