気胸

気胸とは

肺に穴があき、タイヤのパンクのようにしぼんでしまう病気です。

 

症状

最も多い症状は、突然生じる息苦しさや胸の痛みです。穴がふさがらないと、肺の外にもれて溜まった大量の空気によって肺や心臓が押しつぶされ、いっそう症状が強くなり命にかかわることもあります(これを『緊張性気胸』と呼びます)。

 

分類

●最も多いタイプは、10-30代のやせ形の男性に発生しやすい『自然気胸』です。このタイプの気胸は、肺の上の方にできやすい『ブラ(肺が一部小さな風船のように膨らんで破れやすくなった構造)』に穴が開くことによって生じますが、適切な治療を行えば命にかかわることは多くないとされています。
●一方、タバコが原因で生じる肺気腫やその他の肺の持病にある方にも起こることがあり、これらは『続発性気胸』と呼ばれます。治りやすさは原因となった肺の持病により異なります。

 

診断

レントゲンやCTで肺がしぼんでいることを確認して診断します。

 

治療

●空気もれの量が少なく軽症の場合は安静のみで改善することもあります。空気もれの量が多い場合は、『胸腔ドレナージ』という“胸に小さな穴をあけてチューブを入れ、肺の外に溜まった空気を逃がして肺を拡げる処置”を行います。肺が拡がって空気もれが止まったらチューブを抜きます。空気漏れがすぐに止まらない場合や、過去に気胸を繰り返している方は『手術』で肺の穴を直接ふさぐこともあります。
●ご高齢の方で肺や心臓の力が弱い方や肺の持病のため手術が難しい場合は、『胸膜癒着術(液体の薬や血液を肺のまわりに撒いて糊のように穴をふさぐ)』や『内視鏡治療(肺の中から栓をして空気漏れを止める)』を行うことがありますが、こういったケースではなかなか治りにくいこともあります。
●タバコは治療にも病気そのものにも悪影響を及ぼしますから、タバコを吸っている方は必ず禁煙してください。