リンパ脈管筋肉腫症(LAM)

リンパ脈管筋肉腫症(LAM)とは?

リンパ脈管筋腫症は妊娠可能な年齢の女性に起こることがある、進行性の病気です。
体の中でTSC1、TSC2という遺伝子の異常が起こり、LAM細胞という細胞が増えることで、体の臓器を障害します。
リンパ脈管筋腫症は、結節性硬化症(TSC)という病気に合併するTSC-LAMと無関係に起こる孤立発性LAMの2種類に分類されます。
肺では肺にのう胞が多発し(肺に穴が空きます)、呼吸する力が落ちてきます。

 

リンパ脈管筋腫症の症状

呼吸困難、咳、血痰、気胸(肺に穴があいて、しぼんでしまうこと)、乳糜胸水(脂肪分の多い水が胸の中にたまること)、腎臓や肝臓の血管筋脂肪腫という良性の腫瘍、足のむくみなどが起こります。

 

リンパ脈管筋腫症の検査

HRCTという特殊なCTで肺を撮影すると、両方の肺に小さなのう胞(穴)が多数認められます。気管支鏡検査などで、体の組織をとってきて、その中にLAM細胞があるかを確認します。
また、リンパ脈管筋腫症の患者さんでは、VEGF-Dという血液検査の値が高いということがわかっており、診断に有用です。

 

リンパ脈管筋腫症の治療

当院は、アメリカの研究者とともにシロリムスというリンパ脈管筋腫症に対する薬の研究、国内承認に関わり、現在治療薬として使用できるようになりました。
患者さんの呼吸する力が落ちてきている場合にはシロリムスを用いた治療を行ないます。
シロリムスは1日1回2mgで経口内服し、適宜増減します。

シロリムスで起こるかもしれない代表的な副作用には以下のようなものが挙げられます。

口内炎(88.9%)、鼻咽頭炎(49.2%)、上気道炎症(46.0%)、発疹(41.3%)、
下痢(39.7%)、頭痛(39.7%)、ざ瘡様皮膚炎(30.2%)、月経が不規則になる(28.6%)、
気管支炎(25.4%)、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、脂質異常症 (22.2%)、ざ瘡(19.0%)、口唇炎(17.5%)、腹痛(17.5%)、白血球数減少(14.3%)など

シロリムスは有効とされていますが、リンパ脈管筋腫症を完全に治すことはできません。
呼吸する力が落ちてきて、体の酸素を十分に保てないようであれば酸素療法を行います。
また、肺移植が可能かどうかを検討し、準備を進めていく場合もあります。

 

希少肺疾患外来

リンパ脈管筋腫症は稀な疾患であるため、診断、治療を行うことができる施設は全国的にも限られています。当院はリンパ脈管筋腫症の診療経験が豊富な医師が専門外来を行っており、全国各地から(中国、台湾、韓国からも)リンパ脈管筋腫症の患者さんが受診されています。