気管支生検 クライオ生検

検査の内容と目的

気管支鏡検査は、肺または気管・気管支などの病気を診断するために、喉を通して気管支鏡を気管・気管支内に挿入し、内腔を観察し、組織や細胞、分泌物などの検体を採取する検査です。

経気管支肺生検(TBLB)

TBLBは気管支鏡内部を経由した生検鉗子(組織の一部を体内から採取するためのクリップのような形の医療器具)で、気管支鏡では観察できない奥のほうの肺の一部を採取する検査方法で、肺の中に広がる病気を調べることが可能です。
施行される頻度は最も高く、TBLBで診断可能な疾患も多くありますが、採取できる組織の大きさは1-2mm程度で、小さい分、病理診断が困難な場合があります。

クライオ生検(TBLC)

クライオ生検(TBLC)は気管支鏡内部を経由したクライオプローブを用いて、肺組織を凍結させて採取する、わが国では2017年3月に薬事承認を受けた新しい検査手技です。
圧縮されたCO2がプローブに流れることで先端が冷凍され、冷凍したプローブを接触させることで肺組織を凍結させ、そのまま引きちぎることで検体を採取します。採取できる組織の大きさは5-8mm程度で、従来の生検鉗子に比べて採取できる検体は大きく、質も良く、病気の診断に有用とされています。
診断率が高まる分、気道・気管内出血や気胸の合併は高くなると報告されており、検査は鎮静剤・鎮静剤を用いて静脈麻酔下で、気管に挿管チューブを挿入して行います。当院では2021年5月より導入しており、既報告と比して同程度安全に施行しており、主にびまん性肺疾患の診断に用いています。

黒い筒:気管支鏡
気管支鏡内の青い筒:クライオプローブ