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2014年11月1日掲載

部門紹介


呼吸不全研究部長 新井徹
慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、塵肺、各種びまん性肺疾患(特発性間質性肺炎、膠原病肺、過敏性肺炎、サルコイドーシス、ランゲルハンス細胞組織球症、肺胞蛋白症)、睡眠時無呼吸症候群などの呼吸不全を呈する疾患の病態解明を行い、新たな治療法の開発につなげることを目的とする。注目する病態により4つの研究室をおく。

活動状況

間質性肺疾患の呼吸機能
 間質性肺疾患の診断は臨床、病理所見、画像所見の多免疫な議論の上でなされるが、その生理学的特性については詳細な検討は行われていない。
 外科的肺生検を行った間質性肺疾患症例の呼吸機能検査と画像・病理所見の関係を検討した(JRS2013)。

二次性間質性肺炎
 特発性間質性肺炎(IIPs)の診断のためには、膠原病肺や過敏性肺炎といった、原因の明らかな間質性肺炎の鑑別が重要であるが、抗ARS抗体(JRS2013, 2014, ERS2014)、各種抗原に対する沈降抗体お意義(JRS2013)について検討中である。

IIPsの急性増悪
 IIPsにおいては1ヶ月以内の経過で自覚症状、画像所見、呼吸状態が悪化する病態(急性増悪)が知られている。その発症の予測因子、発症後の予後について各種検討を行ってきた(JRS2008-2012, ERS2009, 2011, 2013, 2014, ATS2014)。
 さらに、2014年、IIPs急性増悪に対するトロンボモジュリン(リコモジュリン®)の効果と安全性を評価する多施設共同試験(SETUP試験)をスタートさせた。

サルコイドーシス
 
症例登録を行い、下肺野優位のサルコイドーシスの検討中(JRS2014)。予後不良群の抽出を行う。

自己免疫性肺胞蛋白症(APAP)の生理学的側面
 
APAPにおいて画像所見の程度に比較して自覚症状が軽微であることは、しばしば経験される。
 その生理学的側面については解明されていない部分も多い。
 APAPのQOL・自覚症状を規定する因子(JRS 2008)、呼吸機能特性(JRS2007, JRS2013)について検討を行ってきた。

APAPの全身麻酔下全肺洗浄術(WLL)の標準化
 
APAPの標準療法であるWLLの有効性、安全性向上のため、多施設にて標準法の検討中。

APAPに対する呼吸リハビリテーション
 
APAPに対する全肺洗浄術前後に呼吸理学療法を行い、術後管理の改善を検討中。

気腫合併間質性肺炎
 Cottinらの報告以来、気腫合併が間質性肺炎の予後に及ぼす意義について注目されている。
 VATS診断例において気腫合併の意義について検討を行った(JRS2013)。
 現在、気腫と線維化の関係について時間経過を含め検討中(JRS2014)。

遺伝子多型解析
 
間質性肺疾患の患者様の同意のもと遺伝子多型の解析を行い、個別医療の確立を目指している。

COPDの症例登録
 
COPD外来において症例登録を行い、内科的包括治療の重要性について検討中。

睡眠時無呼吸症候群に対するCPAP療法
 
症例登録を行い、その継続性を規定する因子の検討中。