睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠時無呼吸症候群(SAS: sleep apnea syndrome)とは、睡眠中に、呼吸が停止したり、弱くなることで、睡眠が障害されたり、低酸素血症となり、全身に悪影響をおよぼす病気です。
SASの種類について
閉塞性無呼吸症候群(以下、OSAS)は、睡眠中に、繰り返し、空気の通り道(以下、気道)である「のど」のあたりが、狭くなることにより、低呼吸や無呼吸をきたします。
おもな原因は、肥満にともなう「のど」の周囲の脂肪により、気道が狭くなることです。腹部の内臓脂肪が目立つ肥満では、OSASの頻度が高いことが、知られています。
アジア人では、欧米人と比べて「のど」の周囲の構造が、少し違いがあるため、軽度の肥満でも、OSASを、きたしやすいとされます。
空気の通り道が、狭くなるため、「いびき」を、ともなうことが一般的です。
その他、扁桃肥大や舌が大きいことや、鼻炎・鼻中隔湾曲といった鼻の病気も原因となります。
「あご」が、後退していたり、小さいこともOSASの原因となります。
中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSAS)は、OSASに比べて頻度が、少なく、心臓や神経の病気に、ともなう場合があります。
OSASの症状は
眠気、疲労感、不眠、起床時の頭痛などを、自覚することがありますが、ご本人が、症状を自覚されていないときもあります。夜間、ときに、窒息感とともに目覚めることもあります。
ご家族の方から、「いびき」や、呼吸の中断を、指摘されるときが、あります。
OSASの交通事故のリスク
交通事故のリスクが、増加することが、知られています。
睡眠の障害により、居眠り、眠気、疲労、注意力の低下などが、原因と考えられています。
後述のCPAP治療は、事故のリスクを、低下させます。
OSASに合併しやすい疾患
合併しやすい疾患には、高血圧、糖尿病、肥満があります。
診断のための検査について
まず、自宅に携帯型の機器を、持ち帰っていただき、簡易の検査を、おこないます。
この検査で、睡眠時無呼吸症候群が、疑われたときは、診断のための精密検査として、1泊入院していただき、PSG(睡眠ポリグラフ検査)を、おこないます。
OSASの治療について
持続気道陽圧治療(CPAP治療)は、機器を用いて、空気の圧力を利用して、「のど」のところの閉塞を、低減させる治療です。
近年、ご本人の呼吸にあわせて、圧を自動で調節するauto CPAPという機器を使用することが、多くなってきました。その他、口腔内装置などがあります。
肥満のある方では、減量することで無呼吸の程度が軽減することが多く、食生活や運動などの生活習慣の改善を心掛けることが、重要です。
具体的には、ご飯、麺類、パンなどの炭水化物の食べ物を食べる量を、控えめにされるといいでしょう。例えば、自宅では、小さめのお茶碗を、使用する、外食では、できるだけ、栄養のバランスのとれている定食を注文するようにするなど、工夫されるといいでしょう。
運動不足も、肥満の原因になります。
例えば、日常生活のなかで、一と駅ほど手前で、降りて歩いてみたり、週末に、長い時間をかけて、ウォーキングをされると、それなりの運動量となります。
生活習慣として継続が可能な内容で、工夫されるといいでしょう。